椿とふくろう

読むこと、聴くこと、観ること、書くこと。

さくらのしらべ9~アンコール公演

 生まれてはじめて、さくらのしらべに行った。

 小田さくら21歳のバースデーイベントの、アンコール公演。

 17時からの回だった。月末にもかかわらず、仕事は早退させてもらってコットンクラブへ向かった。

 

 昨晩は20時就寝、朝は5時起きした。

 学生時代ぶりに編み込みハーフアップをして、珍しく後れ毛を巻いて、(マスクをするから)メイクは適当に。昨日練習した通り。

 ラベンダー色の薄手ニットに買ったばかりのタイトスカートを合わせた。一週間前に短くしたばかりの髪も、このコーデにはよく似合っている気がした。

 今日の私は最高に可愛かったと自信を持って言える。それも小田さくらのため。「私の”カワイイ”は 小田のためにとってあるの」ってフレーズが一日中脳内を巡っていた。

 

 閑話休題

 入場して、周りにいるのはみんな小田ちゃんのファンなんだな……と思うと、みんなのことが愛おしくなった。皆さんが小田を推してくれているから小田は輝いているんだな、と慈しみの気持ちが溢れる。

 そわそわしているうちに、小田ちゃん入場。

 毛先を紫に染めたポニーテールの華やかなこと! 昭和をイメージした衣装が想像以上に素敵で、小田ちゃんの美しさに酔いそうだった。個人的に、布をたっぷり使っているスカートがお気に入り。

 1曲目、モーニング娘。の「Loving you forever」。歌いだしの「君と出会い~」で持っていかれた。「君」という単語にここまで物語性を持たせられる小田が大好き。小田はどんな人に恋するのかな、どんな風に愛されるのかな、そんなことが浮かんでは消え、浮かんでは消え。

 とか言いつつ、きっとこの「君」は私たち一人ひとりに向けても歌ってくれているのだろうなとも感じる。小田のくれる愛は「みんな大好き」よりも「あなたが大好き」に近い。私たちを個として認識した上で気持ちを伝えてくれる印象。今日も、会場を満遍なく見渡して、みんなと目を合わせていたようだった。それはポーズではなく、(アイドルとしての)小田の素直な気持ちから来ているものだと思う。

 

 MCでは時の流れを感じると語った。良いことばかりではないが、無駄なことはないと言う。小田ヲタとしての私は大変ちょろいので、それだけで泣きそうになる。いつもポジティブな彼女を見ていると時折胸が締め付けられるのだ。そのポジティブさは根っからのものではなく、悩み苦しみもがいた末に辿り着いた答えなのではないかと思ってしまうからかもしれない。できれば、ただ天真爛漫に、ただ暢気に生きて欲しい。でもそうでない生き方をしている小田が好きなのだから業が深い。

 

 2曲目、「赤いスイートピー」。迫力とか憑依の具合とかは百恵ちゃんや明菜ちゃん路線だと思って已まないけれど、実際に歌うと聖子ちゃんの可愛らしい曲がよく似合う。

 煙草の匂いをさせているシャツを着た彼がいたとして、寄り添うふりをしながらシャツの裾をくいっとつまんで、

「ねぇねぇ、煙草って吸ったことないんだけど、そんなに美味しいの? ちょっとだけ吸わせてほしいな」

 って上目遣いで言ってほしい。その様子を遠くで見ていたい。

*もちろんこれは彼に禁煙してほしいが故の行動であって、彼にとっての自分の魅力を理解した上でいたずらっぽく問いかけている――という妄想。

 

 3曲目、「赤いフリージア」。予想より落ち着いた深みのある歌い方だった。特に2番のバーガーのくだりでそう感じた。小田ちゃんはそう歌うんだ、みたいな新鮮さ。今まで聞いてきたバージョンは、社会人になってすぐ出会った彼と半同棲生活をしている女性の歌ってイメージだった。今日の小田の歌は、キャリアと自分の時間を大切に歩いてきた30代女性が、袖振り合うも何とやらで出逢った男性との日々を歌った曲にも聴こえた。

 

 4曲目、「長い間」。これはずるい。

 小田ちゃんの声質に合っているのか、響きが変わった。語尾が丁寧だからっていうのもあるかもしれないけれど、驚くくらい簡単に感情が乗る。世界観に引きずり込まれる。

 1番でぼろぼろ涙がこぼれた。だって「淋しい思いをさせたね」って言われた瞬間に淋しかった思い出が脳裏に蘇るなんてずるい。いや厳密にはそんな思い出は特にないんだけど、それっぽく加工・編集されて脳内上映されるというか。

 2番では心なしか歌い方を変えたようで、その構成力が小田ちゃんだった。同じフレーズの繰り返しが続いてもそれぞれに意味を持たせて歌っていた。こういう語りかける系の曲、改めて上手い。

 

 5曲目、「木綿のハンカチーフ」。これを聴くために来たといっても過言ではない。個人的に、昭和の名曲の中でもよく聴くしよく歌う曲なので、小田が歌うと聞いて興奮と期待。

 高い音への移行が難しそうで、でもハロ曲ではしない歌い方に趣があって素敵だった。大人びた雰囲気で儚げな小田が好き。

 「涙拭く木綿のハンカチーフ」をねだることを「わがまま」と表現する歌詞は小田に似合っているけれど、どうかもっと幸せな世界線で生きていってほしい。

 

 後半(6~9曲目)についてはまた後日。

 

はじめに何を書くか迷っていたらこうなった

 はじめまして、licasteです。

 これで「リカステ」と読みます。

 このHNを使いはじめたのは高校生の頃でした。洋蘭の一種から取ったつもりが、綴りを間違えて覚えていたことに気付いたときにはもう指が勝手に「licaste」と打つようになっていました。

 ちなみに、今でも綴りを正しく覚えるのは苦手です。

  

 好きなものはたくさんあります。

 本が好きです。

 物語が好きです。

 ことばが好きです。

 読むことも書くことも好きです。

 歌が好きです。

 昭和歌謡が好きです。

 アイドルも好きです。

 特にハロプロが好きです。

 努力してきらめく女の子が好きです。

 おしゃれをすることが好きです。

 メイクも好きです。

 美しいと感じるものが好きです。

 

 だから椿もふくろうも好きです。